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「児玉進矢」さんからのコメントです。その⑱

「児玉進矢」さんからのコメントです。
   2021年4月21日ぶん

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今回は「下関」と「北海道」どちらの魚介が美味しいか?を考えてみます。

言うまでもなく、この問いにはあまり意味がありません。例えて言えば、イタリア・フィレンツェのテラス席でトスカーナの赤ワインを飲みながら夕陽が赤いレンガを更に紅く染めていくのを眺めるのと、タイ・カンチャナブリの川沿いのレストランで朝からシンハービールを飲みながら、クウェー川の滔々たる水面が朝日にキラキラ照らされるのを見ているのと、どちらが幸せかと質問するようなものです。ですが、意味のあることばかり書くのは評論家に任せて、今回はちょっとこのテーマを考えてみます。

幸運なことに、私は下関に4年、札幌に3年赴任し、そのどちらも存分に味わうことができました。これは転勤族ならではの醍醐味です。このブログの読者の皆様は、下関の方が多いのでご存知でしょうが、私の下関時代に忘れられないのは今浦の “まんなおし” と彦島の突端にある “うみべ”、、、、今のコロナ禍でこの両店が健在であることを祈るばかりです。

下関も北海道も共通しているのはネタの鮮度で勝負するところです。なので刺身が基本。野球で言えばストレートで真っ向勝負の全盛期の阪神タイガース「藤川投手」のようなものです。下関の魚介では、フクは別格として、オコゼ、ヒラメの白身系の淡白な味わいながらコリコリ感満点の食感、ウニは小粒ながらとろけるような舌触りで究極の甘さが堪りません。仕上げの味噌汁にオコゼのグロテスクな顔面が入ってると天に昇る幸せな気分になれたものでした。もちろん、アラカブ(カサゴ)の煮付けや冬のあら鍋(クエ鍋)も一度食べたら生涯忘れられない、まるで初恋の彼女と初めて手を握った時のようなものです。

片や北海道はホタテ、ツブ、北寄の貝類、プリプリ感満載のいくら、豪快に焼いて食すタラバ、気長にほじって食べる毛蟹、味わい深い花咲蟹、酒のアテにピッタリの氷下魚(コマイ)、実はメスよりオスの方が美味な鵡川のししゃもなどなど、V9時代のジャイアンツ、今のソフトバンクホークスのような豪華ラインナップです。

この頂上決戦はおそらく延長18回でも決着のつかない松山商業vs三沢高校戦のようなことになるのでしょう。また、冒頭言ったように決着することに意味はありませんが、このテーマを安易に書き始めたものの、どのように落ちをつけるべきか全く見当が付かず、段々途方にくれはじめてきました。

でも、、待てよ。今は延長なしで9回引き分けだ!!そうだ、そうだ、引き分けだ。

コロナに救われた今回でした。

↑「児玉進矢」さんからのコメントでした。