日別アーカイブ: 2023年1月29日

JET STREAM(音楽のある風景)から ㈱燈音舎     NO・37

☆ナレーション『時間の迷路』  :城達也

旅人は、何週もして、なお、旅先の渚で落日を見ている
夕空に航跡をのばしている矢のような帰心があって
葉書に「故国、6月の太陽の背は赤い」と書いた
旅に出てから、彼は、落日に、太陽の背を見るようになった
そのたびに、手元の葉書大の夕空が
彼の心を写し取って、故国へ送られていった
太陽を追っていく旅もあり
夜を追って行く旅もあって、時間の迷路を彷徨(さまよ)う間に
一続きの空に、心を通わせることを覚えたのだろう
そこを、帰るべき道と思い定めた
子午線の時代のオデッセイの話なのだが、、、、

=======

▲ カプリ島  / ビリー・ヴォーン

『楽曲解説』

1934年にイギリスのジミー・ケタディ(詞)とウイル・グロス(曲)が作ったタンゴです。もっとも、イギリス人の作ったタンゴなので本場のタンゴと違い、どことなくポピュラー音楽っぽくなっているのでしょう。タンゴ以外の形で取り上げる人も多いようです。カプリ島はナポリ湾に浮かぶ小島、そこで繰り広げられる恋のゲームが曲のテーマになっています。

〇 魅惑のワルツ  / フランク・チャックスフィールド

『楽曲解説』

1957年のアメリカ映画『昼下がりの情事』のテーマ曲として親しまれていますが、曲はこの映画のために作られたのではありません。1904年にイタリアのフェルモ・ダンテ・マルケッティが作曲した「ジプシーのワルツ」が元の曲名です。これを映画の監督であるビリー・ワイルダーが、中年プレイボーイのゲーリー・クーパーと若い娘オードリー・ヘプバーンとの“愛のテーマ”に使い、見事な効果を上げたのです。