日別アーカイブ: 2022年12月14日

JET STREAM(音楽のある風景)から ㈱燈音舎 NO.15

☆ナレーション『グランド・キャニオン』:城達也

大地の背が、突如ズタズタに裂けて、むごい陽を浴びている
恐竜も棲み果てた、グランド・キャニオンの眺めだ
ボロボロの、ギザギザの、しわしわの、崖また崖、と崖
右から、左から、真中から、めったやたらに、大地を切り刻んだ跡
狼藉を働いた川は、わずかに血の色を滲ませて
谷底に うずくまっているらしい

むき出しの地層の、気の遠くなるような年表
たどり切れない時間を積み重ねて、人の一生は紙の厚さにも満たない
それは、拒絶の谷で、想像の橋を架けることもできず
物差しも、時計もかなぐり捨てて、立ちすくむ足元から
こざかしい計算が崩れ落ちていくのだった

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◎ NO・12 ブルー・ハワイ  /  ビリー・ヴォーン

『楽曲解説』

1937年のアメリカ映画『ワイキキ』の主題歌で、レオ・ロビン(詞)とラルフ・レインジャー(曲)が作り、主演のビング・クロスビーが歌いました。同作品のもう一つの主題歌「スウィート・レイラニ」がアカデミー歌曲賞に輝きましたが、この曲のほうが 映画という枠を飛び出し、真のポピュラー音楽になったような気がします。あるいは、ハワイアンのスタンダード曲となった、というべきかもしれません。

▼ NO・13 ラ・パロマ  / エドムンド・ロス

『楽曲解説』

1860年頃に、スペインの作曲家=セバスチャン・イラディエールが作曲したハバネラです。彼はキューバへ旅行し、その時に耳にした舞曲のハバネラが忘れられませんでした。帰国早々、後に歌劇『カルメン』で使われた「エル・アレグリー」を発表、それに次ぐ2曲目がこの「ラ・パロマ」なのです。曲名のいみは“鳩”のことで、旅人と島の娘との愛と別れをテーマにしています。