☆ナレーション:城達也
遠い地平線が消えて
深々(ふかぶか)とした夜の闇に心を休めるとき
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています
満点の星をいただく果てしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂(しじま)の何と饒舌(じょうぜつ)なことでしょうか
光と影の境に消えていった、はるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります(以下略)
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DISC2 グラナダの夏の夜空
NO・2 〇 夏の日の恋 / パーシー・フェイス
《楽曲解説》
1959年のアメリカ映画『避暑地の出来事』の主題曲で、マックス・スタイナーが作曲しました。サウンドトラックへ吹き込んだものではなく カバー盤ですが、パーシー・フェイス楽団の演奏は 全米チャート1位の大ヒット、そしてミリオンセラーなど数多くの栄光に輝いています。典型的な青春映画ではありますが、忘れられることなく 今も話題になり続けるのは、この素敵な主題曲あればこそと言えます。
◎NO・3 ムーラン・ルージュの歌 / ビクター・ヤング
《楽曲解説》
1952年のイギリス映画『赤い風車』の主題曲で、ジャック・ラリュ(詞)とジョルジュ・オーリック(曲)が作りました。画家ロートレックの生涯を描いた伝記映画ですが、彼が晩年に自宅以上の時を過ごしていたという“ムーラン・ルージュ”というキャバレーを映画の中心に捉え、単なる伝記映画とは ひと味違う仕上がりとなっていました。赤い風車がトレードマークになっていたカンカン踊りを売り物にした娯楽場は、今もパリの観光名所です。
NO・4 〇シャレード / ヘンリー・マンシーニ
《楽曲解説》
1963年のアメリカ映画『シャレード』の主題歌で、ジョニー・マーサー(詞)とヘンリー・マンシーニ(曲)が作りました。シャレードとは “謎解き” の意味で、高価な古切手に秘められた謎を解いてゆく様子は、ヒッチコック映画化と思うばかり(本作の監督は スタンリー・ドーネン)のスリリングな面白さに溢れていました。マンシーニの曲は、他の作品にも共通する “謎を解く中にこそロマンティックなものがある”という姿勢に貫かれていました。収録したバージョンは、もっとも有名なコーラス入りの録音です。