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「児玉進矢」さんからのコメント その⑨

「児玉進矢」さんのコメントです。2021年10月25日ぶん

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ド田舎会長のエレクトーン話、良いですね。私は “からっきし” 音痴で音楽を語ることができませんので、今回は絵の話を。

先日、バンクシーの「愛はゴミ箱の中へ」が25億円で落札されました。パンチの効いた風刺画を描く正体不明のイギリスの画家。なんともクールですね。

ヨーロッパの絵画は長い間宗教画が主流で、画題もキリストや聖母マリアで、そのうしろに羽根をつけた天使が飛んでいるというイメージしかありません。敬虔なクリスチャンからは叱られそうですが、聖書を読む教育を受けていない異教の民にとっては退屈なシロモノです。まあ、曼荼羅をキリスト教徒が見ても意味がわからないようなものでしょう。葬式の時だけにわか仏教徒になる私も全く理解出来ていませんが。

その点、19世紀フランスの印象派の絵は生身の人間であったり、花や果物といった静物や、海や川や街の風景であったり、宗教とは無関係なテーマで自由に描かれていて飽きがきません。素晴らしい数々の作品の中でも私がひとつ選んで部屋に飾っているのは、マネの「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」です。このベルト・モリゾ自身も印象派の女流画家で立派な絵を描いているのですが、彼女はマネの同僚画家であり、モデルであり、愛人でもあったと言われています。たぶん、マネがあまりにチャーミングに描いたからそんな噂が立ったのでしょう。確かに、よくある貴族の高慢そうな奥方様を描いた作品にはない色気を感じます。

ところで最近、美術館で良いなと思うことがあります。ほとんどが予約制かつ人数制限しているので、ゆっくり回れて、しかも絵の真前まで辿りつけることです。コロナ禍のおかげでこれが標準になってくれないかなと願っています。

↑「児玉進矢」さんからのコメントです。