「児玉進矢」さんから頂戴したコメントです。

「児玉進矢」さんから頂戴したコメントです。
   2023年5月23日ぶん

西日本に住んでいらっしゃる人にとって、北関東はどこに何県があるのかはっきりしない地域のようですね。中でも栃木県は場所からして明確に指し示すことが難しい県です。しかし、日光と言えば昔から「日光見るまで結構言うな」と言われるほどに東照宮で人気の観光地です。そんな日光に行ってみました。

東京から高速使えば2時間ぐらいでいろは坂を登って中禅寺湖畔に到着します。ここには明治の初めに建てられたイギリス領事とイタリア領事の別荘が隣接して残っていますが、これがとてもハイカラで眺めが素晴らしいんですね。目の前に遮るものなく中禅寺湖、左に紅葉の時期にはとても美しい八丁出島、右に男体山があって正面奥に雪を頂いた群馬の山々が鎮座している姿は絵画の世界です。なんでもこの風景はスイスのレマン湖畔やイタリアのコモ湖畔とそっくりなんだそうです。両方とも行ったことはありませんが、ヨーロッパから来たかつての外交官たちは、母国の景色に似たこの場所を避暑地に選んだのでしょう。私もしばしこの風景に見とれていましたが、どうしてこんなに美しいのかと考えたらピンと来ました。スワンボートが見えなかったからなんですね。どうもあの巨大なアヒル(しかも大抵は薄汚れている)が視界に映り込んで来ると、素敵な湖面が一気に庶民的になってしまうからなんですね。

もう一つの目当ては日光金谷ホテルという創業150年の老舗です。何が凄いかというと宿泊した方々の顔ぶれなんです。アインシュタイン、ヘレン・ケラー、アイゼンハワー、インディラ・ガンジー、日本人でも新渡戸稲造、白洲次郎、湯川秀樹、吉田茂などなど。設備は古めかしいけれど、築き上げてきた歴史そのものが売り物になってるんですね。彼らが泊まった部屋番号が記録に残されていて、「今夜あなたが泊まる部屋がそうなんです」と言われたらテンション上がりますよね。窓枠の錆や木造床のギシギシ感が却って好ましく感じられるのもこうした歴史があるからなんでね。

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