☆ナレーション『ブーゲンビリア』 :城達也
気づけばブーゲンビリアの生け垣の側で、夕陽に頬を染めて日が暮れる
落日を追って小舟が沖を目指し、漁を終えたカヌーは岸へ急いでいる
鳥たちも森の巣へ戻っていくのだ
夕空の色が褪めて、黒い木立の間に揺れるトウチの火が赤くなる
あとには眩しい思い出が、森の奥で
夜目にも月下美人となって咲くだろう
それではもう一度、アローハ
あなたのハワイがいつまでも思い出に残りますように、、
◎ある愛の詩 / フランシス・レイ
『楽曲解説』
1970年のアメリカ映画『ある愛の詩』の主題曲で、フランシス・レイが作曲しました。つまりここで聴くのは作者の自作自演というわけです。音楽も小説も純愛ものが大ブームになりましたが、その口火を切ったのがこの作品と言えます。“純愛とは決して後悔しないこと”と言うフレーズが、この甘美なメロディーにピッタリです。ただこの曲がイタリア映画『ベニスの愛』によく似ている、とちょっとした騒ぎになったのを思い出します。
▼ソラメンテ・ウナ・ベス / カーメン・キャバレロ
『楽曲解説』
1941年にメキシコのアグスティン・ララが作曲しました。曲名の意味は“ただ一度だけ”で、生涯にただ一度だけ得ることができた素晴らしい恋を喜ぶ女性の気持ちが、美しいボレロ・リズムで描かれてゆきます。作者のララは“南米のガーシュウィン”と言われるほど奇麗な曲が多いのですが、この曲は中でも彼の代表作品と言えるのではないでしょうか。