日別アーカイブ: 2022年12月10日

JET STREAM(音楽のある風景)から ㈱燈音舎     NO・13

☆ナレーション(アルハンブラ):城達也

グラナダの夏の夜空に 半月が冴え渡る頃
アルハンブラ宮殿の奥のバラ園が、そっと開かれている
ヘネラリッフェと呼ばれる離宮の中で、繰り広げられる
今は昔の夢のお伽(とぎ)に、心ある人を招こうというのだ
鉄門に続く糸杉の並木は、砂利道に沿って
点々と置かれた足元の明かりの上に
巨人の影のように並んで
まことに夢の通い路と呼ぶにふさわしい

夜空に薫る花のドームを抜けて
離宮の戸口に差し掛かると、中庭の噴水の水の音が
見知らぬ客たちの、夜会のさんざめきのように聞こえる
睡蓮や水草が浮かぶ縦長の池に
左右からうな垂れて落ちる噴水が
後宮の娘たちの記憶を、語り継いでいるところだったが、、、

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△ NO・8  花祭り / ロス・インカス

『楽曲解説』

原曲名「エル・ウマウアケーニョ」は、アルゼンチンのウマウアカ渓谷周辺に住む人達のことを意味しています。その人々が年に一度のカーニバルを楽しむ様子を描いたフォルクローレの傑作といえます。「花祭り」という曲名は フランスでシャンソンとして紹介された時に付けられたもの、日本でもこの曲名で通用しています。1943年に16歳のエドモンド・P・サルディバールが作ったといいます。

◎NO・9  ローレライ / カーメン・キャバレロ

『楽曲解説』

1838年にドイツのフリードリヒ・ジルヒャーが、ハイネの詩に付けたメロディーです。日本では近藤朔風の「なじかわ知らねど心わびて、、」の歌詞が付き、明治42年から学校の授業でも歌われるようになりました。ライン河の中流に棲(す)む歌の精=ローレライの伝説をハイネは詩にまとめ、いろいろな作曲家が曲を付けたので、「ローレライ」は何種類もあります。思いつくだけでも、クララ・シューマン、メンデルスゾーン、リストといった顔ぶれです。