日別アーカイブ: 2022年12月8日

JET STREAM(音楽のある風景)から ㈱燈音舎     NO・12

☆ナレーション:城達也

遠い地平線が消えて
深々(ふかぶか)とした夜の闇に心を休めるとき
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています

満点の星をいただく果てしない光の海を
ゆたかに流れゆく風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂(しじま)の何と饒舌(じょうぜつ)なことでしょうか
光と影の境に消えていった、はるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります(以下略)

☆ナレーション(アルハンブラ):城達也

グラナダの夏の夜空に 半月が冴え渡る頃
アルハンブラ宮殿の奥のバラ園が、そっと開かれている
ヘネラリッフェと呼ばれる離宮の中で、繰り広げられる
今は昔の夢のお伽(とぎ)に、心ある人を招こうというのだ
鉄門に続く糸杉の並木は、砂利道に沿って
点々と置かれた足元の明かりの上に
巨人の影のように並んで
まことに夢の通い路と呼ぶにふさわしい

夜空に薫る花のドームを抜けて
離宮の戸口に差し掛かると、中庭の噴水の水の音が
見知らぬ客たちの、夜会のさんざめきのように聞こえる
睡蓮や水草が浮かぶ縦長の池に
左右からうな垂れて落ちる噴水が
後宮の娘たちの記憶を、語り継いでいるところだったが、、、

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◎NO・6 アルハンブラの思い出 / ナルシソ・イエペス

『楽曲解説』

作曲年は不明ですが、ギターの近代奏法を確立した人物として、音楽史にその名を遺すスペイン生まれ(1582~1909)のフランシスコ・タルレガが 作曲しました。スペインの古都グラナダの街にある  美しいアルハンブラ宮殿を描写していますが、その曲の美しさと、ギタリストを魅了するトレモロ(同じ音を急速かつ規則的に繰り返す手法)の魅力に惹かれて、多くのギタリストがレパートリーに入れており、イエベスも例外ではありません。

◎NO・7 ララのテーマ   /    ジェームス・ラスト

『楽曲解説』

1965年のアメリカ=イタリア合作映画『ドクトル・ジバゴ』の主題曲で、フランス人のモーリス・ジャールが作曲しました。ロシアの十月革命を背景に、医師ジバゴの愛と苦悩を描いた、デビット・リーン監督作品ですが、主演女優にジュリー・クリスティを配したことが 成功につながったと言えます。この曲は そのクリスティ扮するララのテーマですが、作品そのものと ヒロインの両方をグレードアップしていたように感じます。